くりぃむナントカ「第二回 長渕ファン王決定戦」

本当にすごいものを見せてもらいました。
そもそもこの企画の笑い所は、長渕ファンの過剰さを笑うところにあったと思う。ただそれは、外側からみた嘲笑ではなく、長渕剛とそのファンに対して愛情を持った者たちが自嘲気味に可笑しがるという感じだったから、見ていて不快ではなかった。長渕氏自身がこの企画を気に入ってくれたのは、おそらくあの3人が芸能人としてでなく、ただの長渕ファンとしてあの場にいてくれたことがうれしかったんじゃないだろうか。
最近のTVでの音楽番組の過剰なまでのバラエティ化は、個人的には嫌いではない。必然性があってのことだろうし、内容の多様化は見所を多くするから、いい事だと思う。ただ、それもスカパーとかで純粋にクリップだけを見せてくれる番組があってこそ許されるものだけど。逆に「情○大陸」のようなドキュメント番組などで取り上げられている時のような、空々しい賛辞に包まれた雰囲気には馴染めない。本来ドキュメンタリーなんだから、等身大のアーティストがそこには映っているはずなのに、フィクションの匂いを感じるのだ。
今回の番組がどんな歌番組より素晴らしいものになったのは、そのようなフィクショナルな雰囲気も過剰な演出も、もちろん宣伝などの類も一切なく、等身大のアーティストとファンがそこにいただけだったからだと思う。結果的にそれが、長渕ファン以外の人たちの心を揺さぶるような内容につながったんじゃないだろうか。

あのカラオケBOXにいた3人は、君であり僕なんだ。

奇跡を見せてもらいました。ありがとう。