西野監督の戦い方

皆が「勝者」を目指さなくとも −天皇杯決勝(下)−(brog武藤文雄のサッカー講釈)

浦和2冠、天皇杯も制す(サッカー@エクスプレス/大住良之

今回の天皇杯決勝における西野監督の采配について、まったく異なる2つの意見。

僕の考え方が武藤さんのそれに近いのは、先日のエントリーで書いた通り。ただ、僕は決して武藤さんのような「西野嫌い」ではありませんが。「交代枠が充分あるのに、あえて選手を変えない」という行為は、「選手を変えて試合の流れを変える」事よりリスクが高いし、決して一方的に間違った選択肢だとか勇気がないとは言えないと思う。ただ、一昨年のナビスコ杯のジェフ戦といい、今回の天皇杯でのレッズ戦といい、ビッグマッチにおける負け方が類似している事は決して偶然ではないと思うし、それこそが、今現在までの西野さんの指揮官としての限界なんじゃないかと。
理想を極める事は美しい事ではあるけど、1クラブの監督として純粋に勝利を求め、すべての選手のモチベーションをうまく保つためには、どこかでリアリスティックで冷静にならなければいけないときはあるだろうし、そのバランスを絶妙に自制出来た時に、西野さんはもう一つ上のステージに上がる事ができるのではないでしょうか。その時こそ、彼が名実共に日本サッカーにとって「大事な男」になる時だと思うのです。