北京五輪2008 アジア2次予選 日本 VS シリア

これまでと打って変わって、爽快な勝ち試合。ただ、あの試合開始直後のシリアの幻のゴールが認められていれば、試合はまったく違うものになっていただろうけど。
前半のチームの動きは素晴らしかった。ボールがよく回り、後ろからどんどん人が追い抜いてチャンスを作り出す最近の日本が目指しているサッカーが、比較的出来ていた。まだ「各駅停車」と言われても仕方ないくらいのスピードではあったけど。逆に後半はひどく集中力を欠く出来だった。体力が落ちたようには見えなかったから、やはりメンタルの問題ではないかと。3点目は平山の経験値の高さによって生み出されたといってもいいゴール。ああいう状況であそこまで落ち着いてシュートが打てるのは、彼の経験の深さに因るところが大きいと思う。体調も感覚も戻りつつあるみたいだし、やはり彼に対する期待は大きくなる。
今回はうまくいかない事が多かったけど、グランパス本田選手のエゴイスティックなまでの貪欲さは、いまのチームにとって貴重な存在だ。家長の起用方法は、おそらくサイドアタッカーとして彼を見ていたシリアを混乱させた良いやり方だった。水本の度重なる効果的なオーバーラップは、やはりオシムイズムが染み付いているからでしょうか。
あまり語られる事は少ないけど、この世代の代表はセットプレーからより、流れの中からの得点が多いと思うのだけど、どうでしょうか?1対1になった時に、個人で勝負を仕掛けるタイプが中心選手である事とは決して無関係ではないでしょう。
今日は、ホームということもあって、彼らの良い部分が随所に見られた良い試合でした。「ピチピチした」試合だとは思わなかったけどね。比較的余裕ができたから、次のアウェイ戦は「天王山」なんて肩肘張らず、でも充分に緊張感を持って戦って欲しい。今日の後半の集中力と緊張感の欠如を見ると、監督さんがそうやって必要以上に士気を高めようとするのもよく分かるけど。