サッカー批評「川淵三郎氏インタビュー」

紙面を見るまでに武藤さんのエントリーを読んでいて、実際現物を見てもほぼ同じ意見なのですが、一応僕自身が感じた事を。

彼の日本サッカーの底辺に向けての活動が充実していて、且つ効果的である事は疑いの余地は無いと思う。ただ、代表の強化もまた重要なミッションであり、それを競技的にも経済的にもジリ貧に追い込んでしまった責任をその当時のトップが責任を取らなくても良いと本気で思っているのなら、相当おめでたい方だなと思う。どんな場合だって何か責任取ってやめさせられる人は、たいてい志半ばにあきらめなければいけないプロジェクトをいくつか抱えているものです。それでも、責任取らなきゃ示しがつかないからやめるのですよ。それが「団体の長」の宿命だから。あの時の彼の場合はそれだった。まして、それについて何らかを語ってくれると思った時に「機密の漏洩」だもの。デモ起こされて当たり前です。

団体の長というものは、本来一番やりたくない苦役。それだけ責任が大きいから。会社の社長とかサッカーで言えば監督さんに心臓を患っている方が多いのは、それだけ重責だからな訳で、そりゃ、惨敗の責任を技術委員会に押し付けて、機密の漏洩を「仕方ない」で片付けて、現場の人間におべんちゃら使われて、何事も済ませる事ができたなら、いつまでもその地位にいたいと思うわな。自分の地位を狙っている人間がいると思っているのは、そんな能天気な事を平気で言えるような環境だから、誰もやりたがってると感じているからでしょう。「誰もこんな大変な事やりたがらないから、仕方なく俺がやってるんだよ」って言えるのが、どういう団体であろうと本当の優れたトップだと個人的には思うので、このエピソードだけでも、彼がどんな長なのかは見当は付きます。

とりあえず、オシム監督の件に関するジェフのサポーターからの抗議を一切見てもいないし、彼らに対して悪いなんてこれっぽっちも思ってない事が今回はっきりしたので、もう何の気兼ねも無く軽蔑してしまえばいいと思います。「Jリーグ軽視」以前の問題だわ、こりゃ。

以前僕は彼のことを、「すでに自分が裸であることに気づいている裸の王様」であると書いたことがありますが、どうやら生粋の「裸の王様」のようでした。もう少し腹黒い策士だと思ってたんだけどなー。