改めて問いたい、何のための「ベストメンバー」なのか?

ベストメンバー規約というのは、こういう風に明文化されています。

Jリーグ規約
第42条〔最強のチームによる試合参加〕
?Jクラブは、その時点における最強のチーム(ベストメンバー)をもって前条の試合に臨まなければならない。

?第40条第1項第1号から第3号までの試合における先発メンバー11人は,当該試合直前のリーグ戦5試合の内、1試合以上先発メンバーとして出場した選手を6人以上含まなければならず、詳細に関しては「Jリーグ規約第42条の補足基準」によるものとする。

「ベストメンバー」と謳ってはいますが、この条文を見れば明らかに「試合に勝つためのメンバー」という解釈でいいでしょう。


先日の川崎フロンターレのメンバー構成が「勝負を捨てた」采配だったのでしょうか?2トップの二人は去年の大躍進した当時のスタメンでした。左サイドのフランシスマールは次節でスタメン出場していますし、彼はそもそも開幕前の怪我で出遅れていただけのはずです。大橋選手は中村憲剛マギヌンに劣らない才能を持った選手です。僕には、このメンバー構成が「勝ちに行った」采配にしか思えません。疲弊しきった直近のスタメンの選手ではなく、ある程度フレッシュな高いポテンシャルを持った控え選手を「勝つために」考えに考え抜いて監督が選んだとしか思えないのです。
おそらく犬飼さんは、入れ替わった数だけしか見ていなかったのではないでしょうか?その後、「今回は止むを得なかった」などという何ともいえない見解が示されましたが、これはJリーグの見解であって、直接怒鳴りつけた犬飼氏には説明責任があると思います。
今回の件で改めて「ベストメンバー」の定義に関して議論がされる事を希望します。恐らく当時も同様の論議がされたことと思いますが、Jリーグはあの頃と比べて、海外と比較するとまだまだかもしれませんが、成熟度は増しているはずです。ただ、この論議には埋まる事のない溝があるようにも感じます。「勝つための」ベストメンバーなのか、「興行のための」ベストメンバーなのか。
そう、ここに来て、また例によっていらん事を言う人がいるのですよ
一番気になったのはこの一文。

今回の件をこのルールに照らし合わせると、柏戦での川崎はこれに逸脱してはいない。しかし、今後、この定義を盾にとって、リーグ戦かカップ戦どちらかの試合を優先することが起こらないとも限らない。私の立場でとやかく言う話ではありませんが、妙な前例をつくることになってほしくないと痛切に感じています。

これは要するに「ACL優勝への強い意志から主力を温存させたのか、選手の疲労度を考慮しての布陣だったのか、その真相はわかりませんが」としながらも、実質的に今回の川崎の行為がルール違反であり、悪しき前例になり得る事例であると思っているという事なのでしょう。あんたが口出しするような事じゃねえよと思うのですが。

きちんとJリーグと川崎の間で話し合いが行われて、あのメンバーが勝つためのベストメンバーであったという事が確認されたにも関わらず、このような事を言っているという事は、このルールを考えた人間にとっての「ベストメンバー」が、実際の条文とは意味合いの違うものである事を、図らずも証明してしまっています。
犬飼氏も川淵氏も「サポーター」と言う言葉を多用していますが、我々サッカーファンの考えるサポーターと、彼らの考えるサポーターの解釈には大きな差があるのは周知の事だと思います。彼らの解釈は、我々のそれより広いものであるはずです。そして、それはそれでかまわないと思います。ただ、彼らがサポーターという言葉を使う時に必要以上の解釈をしているのではないかと思う時もあります。今回の協会のHPでの川淵氏の発言は、まさにその必要以上の解釈だと感じました。
僕には川淵氏の考える「ベストメンバー」が、興行がまずありきという発想にしか思えません。いいかげん「サポーター」と「スポンサー」を混同して語るのはやめていただきたい。今回の騒動で改めて感じました。

つーか、そんな「サポーター」とか「リーグ戦のため」とか心にもないことほざいとらんと、はっきり言えや。「俺の作ったルールなんだから、つべこべ言わずに守れ」ってよ。