キリンチャレンジカップ 日本 VS トリニダード・トバゴ

前半の日本代表は、まさに「青いユニフォームを着たジェフ」だった。
序盤からファウルが多かったのは、それだけ相手にプレスをかけ続けていたからだろう。一人がボールを持つと、一斉に他の選手がその選手を追い越していく様子は、普段のジェフの試合で見慣れた光景だった。
特定のチーム=レッズの選手を多く召集することで、急造チームでも連携を作り上げるという意図があったかもしれないが、そこで行われていたのはレッズのサッカーとはタイプの違うサッカーだった。やはり、あれだけの短い期間でここまでのチームを作りあげるのは見事としか言いようが無い。ただ賞賛されるべきはオシム監督だけでなく、ほんの数日の合宿だけで、たとえ45分限定だったとしても、オシムのサッカーを具現化できる能力を持った選手達だと思う。前半飛ばしすぎて、後半がグダグダになってしまったのは今後の課題でしょう。
MOMは鈴木啓太選手。彼が昨日やったポジションのファーストチョイスはおそらく今野選手だろうけど、昨日の出来は、その序列があっさり崩れてもおかしくないほどの素晴らしいものだった。後半になって運動量が落ちていく他の選手を尻目に、最後まで走り、動き続けていた。
アレックスの2点目が決まった時、本当に泣きそうになった。特に彼のファンというわけではないけれど、ここ数年の彼の代表における不当な扱いと耳を塞ぎたくなるような中傷を思うと、胸が熱くなった。「古い井戸」からあえて彼を選んだのは、彼に、代表で彼本来の能力を発揮してもらうためだったのだろうか。もしそうだとしたらすごい。
準備期間の少なさや時期の問題などもあって、昨日の出来がベストではないのは当然だが、代表の未来を思ってワクワクできる日々が帰ってきたのが、何よりもうれしい。ただ、その代償としてつらく悲しい想いをしているジェフのサポーターの事を思うと複雑な気持ちにもなるのだけど。
そういう怒りや悲しみをしっかりとアピールするためにも、昨日のデモは有効だったと思う。参加者の皆さん、お疲れ様でした。