日本 VS カメルーン

正直言って、試合キックオフまでの様々なネガティブな出来事にただただ打ちのめされながら、今日の試合に正面から向かう事を躊躇していた時、キックオフ直前のスカパー実況の下田アナの放送開始時最初の一節に魂が揺さぶられた。

ドーハの悲劇」でアジアの列強との僅かな差を痛感し、フランスのピッチで世界とはまだ距離がある事を実感し、自国開催の熱狂で世界とは互角に渡り合えると錯覚し、ドイツで味わった痛烈な敗北感。私たちは4年毎に世界と向き合い、悔しさも喜びも糧としながら、右肩上がりに邁進してきました。しかし、誤解を恐れずに言えば、ここ数年の日本サッカー界と代表チームには幾許かの閉塞感が漂っています。恐らく今の閉塞感を打破する特効薬などありませんが、それでもなお、これからピッチに立つ彼らが、今出来る最大限の事があると信じます。表面的に「一丸となって戦おう」と声をかけあうよりも、Jリーグの舞台で最も輝いている自分を存分に発揮して欲しいと思います。肩に力を入れて「世界を驚かせてやる」と宣言するよりも、Jリーグで輝き、だからこそ海外のクラブが投資しようと感じた自分の魅力を100%出し尽くして欲しいと思います。それがすなわち「一丸」であり、それがすなわち「全力」です。


それまで、自分の心の中にあった逡巡を恥ずかしく思った。涙が出た。本当にこれまでの様々な名実況に勝るとも劣らぬ素晴らしいコメントだと思う。もう、迷いなく心の底から応援できる気持ちになった。

そして、輝かしい勝利。恐らくカメルーンにしてみれば、確実に勝ち点3を勝ち取れる試合という認識だったろう。メンバー選考やプレーの一つ一つに、それは感じられた。前半は、それが如実に表れた結果だった、だからこそ、後半どこまでやれるかが大切だった訳だけど、あの4年前のオーストラリア戦の屈辱は、すべての日本人の心に刻みつけられているのだと思う。今回、後半を乗り切られたのは、あの時の経験があったからだ。我々は少しづつではあるけど、前へ進んでいるんだ、そう感じることができた試合だった。

まず、ひとつ。とりあえず、日本で安全地帯から文句をたれていた奴らを驚かす事は出来た、今度は本当に世界を驚かせる番だ。