日本 VS デンマーク

まず、開幕直前に少しでも懐疑的になった事を素直に謝りたい。ごめんなさい。そして、本当にありがとう。

試合開始直後は、デンマークのパス回しの早さ、狙いどころの巧みさに敗北もちらついた。しかし、良い時間帯にFKで先制、そして追加点を奪えた事で、完全にデンマークのペースを奪えたと思う。こうなると、彼らは集中力がなくなる。初戦のオランダ戦しかり、かつてのイングランド戦もそうだった。

今日も日本の守備は落ち着いて冷静だった。今思えば、おそらく、いざという時はこれだけの守備ができるという確信があればこその迷走だったのかなと。てか、守備的サッカーって何だ?今日の日本が守備的なのか?勇敢じゃなかったのか?もう「アンチフットボール」とか「守備的サッカー」なんて言葉を、自分のメンツを保つためだけに使うのはやめてくれないか?

無事に決勝トーナメント進出。こうなってみると、改めて「ベスト4」という目標設定は間違っていなかったと思う。2002の時は、トルシエだけでなく、日本全国が決勝トーナメントを勝ち抜いた事自体に満足していた。だからこそ、あのような結果になってしまった。今回は違う。まだまだモチベーションが落ちる事はない。

次はパラグアイ。あの南米選手権の屈辱を晴らすチャンスがやって来た。まだまだ続くよ。

デンマーク戦前夜

オランダ戦に関しては、タイミングを外したので書かなかった。ほとんどの方と意見は同じ。あまりにも悔しく、でも決して恥じる事のない敗北。これ以上に言う事はない。

オランダ戦を最少失点で抑えた事で、かなり有利な状況になった。しかしながら、まだまだリーグ突破の可能性は50%もないと思う。疲弊した選手達。再び高地での戦い。何より、これまでの2試合で日本の現状は相当分析されている。3チームの中で最も試合巧者と言っていいデンマークが相手ではさすがに苦しい。

それでも、苦しいからこそ、難しいからこそ、勝った時に得るものはあまりに大きい。万が一、敗戦であっても、そこから多くの教訓を得られる戦いをして欲しい。

もう一度。頭を真っ白にして。全力で応援する。決めてくれ!ニッポン!

オランダ戦前夜

各チームの対戦がほぼ一巡し、毎日ガチな国際Aマッチを楽しんだ1週間。その間には、我らの代表の甘美な勝利があった訳だけど、その意外な勝利に関して、様々な議論が沸き起こっているようで。

【サッカー/W杯】日本代表「全敗」を予想した評論家やメディアの責任は問われないのか?

グループリーグ3試合の中でたった1試合が済んだだけで騒ぐことでもないだろうと。ここで1勝しても、この後2敗すれば失敗の烙印を押される。でも、こんな話が出てくるのは、それだけ日本代表とりわけ岡田監督個人に対するバッシングのひどさが半端ではなかったからでしょう。

誤解を恐れずに言えば、たった1勝ごときで無闇な全能感を漂わすイタイ連中にはうんざりなのだが、それでも、今「岡田監督に謝れ!」と声高に叫ぶ人達の気持も理解できる。僕は、直前に心が折れてしまった立場なので、あまり偉そうなことは言えないが、それでも「こちとら2年以上散々な事言われてたんだ、たった2,3日言われたくらいで、ガタガタ言うな!」という気持ちではある。

今回のカメルーン戦の勝利は、単純にカメルーンが弱すぎだとか、運が良かっただけとかそんなものではなく、相手が弱すぎたとしても、その弱さを等身大に把握して、現状の戦力で最大限の努力を費やして得た必然の勝利だったと思う。それを、アンチフットボールだの博打的だのと、今声高に言う人間は、結局自らのメンツにこだわった連中にしか過ぎない。本当に日本サッカーの行く末を憂い、真剣に考えている者なら、その批判はグループリーグの3試合が終了した時に言うべきことではないのか?まったく、どいつもこいつも、3試合を消化するたった数日が待てない見苦しい連中ばかりでうんざりだ。

今回の勝利に関して、これまで岡田監督を批判し、彼の解任を要求していた連中は、少なくとも上記のようなプロのサッカー監督及び関係者として当然のスカウティングさえできない無能だと決めつけていた奴らばかりなので、とりあえず、そこは素直にごめんなさいして、その上で「それでもリーグ突破は無理だろ」という主張をするべきでしょ。ただ、そんな見方でワールドカップ見るの、楽しいのかな?とは思う。どう考えても勝てそうにない相手に、どんな手を使って肉薄するかを考えるだけであっという間に数日間が過ぎていくのが、サカオタの楽しみじゃねーかと。

明日のオランダ戦。その試合に勝つことに集中するのか?はっきり捨て試合だと決めて、もう一度、最初の理想とした鬼プレスサッカーで挑むのか?グループリーグ2試合目を様々な選択肢を見据えながら待つ楽しみ。自らのメンツにこだわって、こんな至福の日々を楽しむ事のできない連中の方が、よっぽど「アンチフットボール」でしょ。

日本 VS カメルーン

正直言って、試合キックオフまでの様々なネガティブな出来事にただただ打ちのめされながら、今日の試合に正面から向かう事を躊躇していた時、キックオフ直前のスカパー実況の下田アナの放送開始時最初の一節に魂が揺さぶられた。

ドーハの悲劇」でアジアの列強との僅かな差を痛感し、フランスのピッチで世界とはまだ距離がある事を実感し、自国開催の熱狂で世界とは互角に渡り合えると錯覚し、ドイツで味わった痛烈な敗北感。私たちは4年毎に世界と向き合い、悔しさも喜びも糧としながら、右肩上がりに邁進してきました。しかし、誤解を恐れずに言えば、ここ数年の日本サッカー界と代表チームには幾許かの閉塞感が漂っています。恐らく今の閉塞感を打破する特効薬などありませんが、それでもなお、これからピッチに立つ彼らが、今出来る最大限の事があると信じます。表面的に「一丸となって戦おう」と声をかけあうよりも、Jリーグの舞台で最も輝いている自分を存分に発揮して欲しいと思います。肩に力を入れて「世界を驚かせてやる」と宣言するよりも、Jリーグで輝き、だからこそ海外のクラブが投資しようと感じた自分の魅力を100%出し尽くして欲しいと思います。それがすなわち「一丸」であり、それがすなわち「全力」です。


それまで、自分の心の中にあった逡巡を恥ずかしく思った。涙が出た。本当にこれまでの様々な名実況に勝るとも劣らぬ素晴らしいコメントだと思う。もう、迷いなく心の底から応援できる気持ちになった。

そして、輝かしい勝利。恐らくカメルーンにしてみれば、確実に勝ち点3を勝ち取れる試合という認識だったろう。メンバー選考やプレーの一つ一つに、それは感じられた。前半は、それが如実に表れた結果だった、だからこそ、後半どこまでやれるかが大切だった訳だけど、あの4年前のオーストラリア戦の屈辱は、すべての日本人の心に刻みつけられているのだと思う。今回、後半を乗り切られたのは、あの時の経験があったからだ。我々は少しづつではあるけど、前へ進んでいるんだ、そう感じることができた試合だった。

まず、ひとつ。とりあえず、日本で安全地帯から文句をたれていた奴らを驚かす事は出来た、今度は本当に世界を驚かせる番だ。

南アフリカW杯が始まる前に

今日の朝、Twitterでの漫画家のいしかわじゅん氏と水道橋博士氏のやりとりが興味深かった。

@ishikawajun 若い連中はまだしも、年食った連中まで初めて知ったって顔だったのが、ほんとにビックリだよ。みんなニュースって見てないんだな、ほんとに。RT @s_hakase: 今日放送の『池上彰の学べるニュース』は南アフリカネルソン・マンデラの話。27年間の獄中生活から大統領へ、

これを受けての博士氏の返答に、

@ishikawajun いやー、あれが演技だったとは思えない。RT @s_hakase: タレントは知っていても、したり顔が一番仕事がきませんよ(笑)。RT @ishikawajun 若い連中はまだしも年食った連中まで初めて知ったって顔だったのが、ほんとにビックリだよ。


おそらくこの件に関しては、水道橋博士の仰ってる事が正しいと思うのだけど、そう言われてみれば確かに、若い子は南アフリカの歴史なんてそんなに知らないだろうなとは思う。もちろん、お前はどれだけ彼の国の事情に詳しいのかと聞かれれば、大雑把にしか答えられない。それでも、僕ら世代のロック好きは若い頃に、様々なアーティストから、南アフリカにその時何が起こっていたかを、素晴らしい楽曲によって教えられていた。



このスペシャルズの「Free Nelson Mandela」という曲を初めて聞いた時、何故「獄中のネルソンマンデラ氏を解放しろ」という重いテーマの曲を、ここまでキャッチーでダンサブルな曲調で演奏するのか不思議だったのだが、こうやってヒットチャート上位に登りつめる事で、僕のような東アジアのちっぽけな存在の少年にも伝わるように、一人でも多くの人々に事実を伝えたいという事だったのかなあと今になれば思う。そして、実際多くの若者が、ネルソン・マンデラという偉人の存在を知るきっかけに、この曲はなっている。

そして、もう一曲。



当時、ピーター・ガブリエルは、こういうチャリティコンサートには必ず顔を出したりして、一部のロックファンに批判を受けていたような覚えがあるが、それでも、この瞬間に何万人もの人々が、スティーヴン・ビコの名前を声高に歌いながら、同時に獄中にいたネルソン・マンデラ氏の事も思っていた。その事実だけでも、彼がこの曲を書いた価値があると思う。


In the Studio

In the Studio

ピーター・ガブリエル III(紙ジャケット仕様)

ピーター・ガブリエル III(紙ジャケット仕様)


南アフリカで行われるW杯の開幕前日に、ふとしたきっかけで、自分が若い頃懸命に聴いていた音楽を思い出してしまった。そう、明日から開幕なんだな。何か実感が湧かないのは何故だろう・・・しかし、いくら練習試合だからって、ジンバブエ代表相手に0-0はねえだろ?子供の時に教えてもらわなかったか?「練習でできない事は、本番でもできない」って。

もし日本がオランダに勝つとしたら・・

開始から数分でロッベンのサイドをぶち切られてあっという間に2点奪われて前半半ばに早くも省エネ守備で守られたまにカウンターかまされながら前半2-0で終了後半も攻めども攻めども崩せず後半半ばでロッベンファンペルシーを交代されて後半38分くらいにあろうことかまたしてもGKを交代という舐め切った采配をされるが直後たまたま森本がDFの裏を取りGKと1対1になりGKがペナルティエリア外でハンド一発レッドになって退場ファンボメルあたりが急造GKになりそれまで全然FK決められなかった俊輔くんがきっちり決めて2-1さらに焦るオランダDF陣の裏を森本が再び取り同点ゴールロスタイムにオランダが猛攻をかけてCK奪取GKも上がるが決められず守備なぞするつもりがない後方にいた本田△にボールが渡り無人のゴールにロングシュートを打ち込んで3点目奪取そのまま試合終了・・・なんていうコントみたいな光景しか思い浮かびません、ごめんなさい><。

イングランド VS 日本

仕事の野暮用で京都に行っていたため、生観戦には間に合わず。1時間遅れで見始めるが、結果は判ってしまう。それでも、見入ってしまうような試合であった。

多くの識者が語っているように、あくまで親善試合。しかも、相手は何人かの主力を休ませて、多くの選手を試した。これまでのパターンからいっても、ある程度予想できた展開ではある。今回の善戦で180度見方を変えるのはどうかと思う。ただ、今年に入ってから、さんざん底の底を見せられた側としては、少なくとも、ほんのわずかの期待を持って本番に向かえそうなのはとてもうれしい。

以前にも書いたかもしれないけど、今の日本はこのグループの中では、いや、出場国すべての中でも「草刈り場」言わざるを得ない実力のチーム。他の3カ国の考える事は何よりも「この国相手に、いかに楽に勝ち点を奪えるか」だ。本来の実力の60〜70%程度の省エネ体制で向かってくる。つまり、通常の親善試合に近いテンションで来てくれる可能性が高いだろう。彼の国には「窮鼠猫を噛む」などという格言は存在しないはず。我々のような弱小チームがアップセット起こすには、絶好のシチュエーションじゃないだろうか。

そのためにも、今の90分持たない戦い方は何とかしないといけない。「90分間プレスをかけ続ける」のではなく「90分の間、適切な瞬間にプレスをかける事の出来る」チームを目指して欲しかった。そのためには、高い守備意識とそれを実現するためのインテリジェンスが必要だと思う。国を代表する選手たちなら、それをほんの少しのディスカッションと各人の工夫で実現できると信じたいのだが。

とにかく今は、たかが親善試合と言えども、あの天下のカペッロ監督に「日本のフォーメーションは9-0-1だった」としたり顔で「負け惜しみ」を言わせた事を素直に喜ぼう。